3回にわたるシーリーズ2回目、次は、原料メーカー編。
近年の原料メーカーのP/L管理は、時代の変化の波を最も大きく受けていると思いますが、

研究開発費と営業効率の管理

に尽きると思います。

この管理ができないと、添加物原料のように、結局、コスト合戦をせざる終えなくなるからです。
コストだけだと、中国やインドの原料には敵わないです。
しっかり研究開発を行い、グローバルな展開を意識した戦略も求められるようになってきていると思います。
輸入原料に関しても、国内ニーズに合ったデータ取りを行い、輸入者独自のデータ蓄積が必須となっていくでしょう。

研究開発費を投じらておらずデータがない原料は売れません!

これは、大手受託加工会社の友達が言った言葉でもあります。ほんと、その通り!
原料メーカーは、研究開発費を捻出し予算組みしつつ、常に原料に投資していく必要があるのです。そうしなければ、後発組(特に中国)に負けてしまいます。
市場の変化もはないので、進化し続けないと、あっという間に負け組の仲間入りです。
ぶっちゃけ、古い体質で、経営者が利益総取りで研究開発が投じられず社員が苦しんでいる酷い会社がいくつも存在します。それでは、事業が先細りになって終わりです。

市場が成熟してくると、機能性食品原料は、ヒト臨床試験データがあったり、特許取得していることが当たり前になってきます。

また、近年は、市場が大きく変化し、営業効率を考えていかなければならない時代になってきています。
営業効率を高めて、少しでも研究開発費を捻出する必要があります。
仕事する振りだけしている成果を上げない営業マンは不要です。
インターネット上で公開できる情報はできる限り公開し、一定以上の情報は、契約で縛りつつ適当に公開していく必要があります。

さて、今回も、質問です。原料メーカーさんへ。

原料選定時に必要な情報をどこまで開示されていますか?
社内で明確な見積り価格のルールは存在しますか?
原料の採用までに、どのくらいの時間を割いていますか?


実際、原料選定時に必要な情報が公開されていれば、わざわざ規格書をメールやFAXで送るような業務は不要です。
規格書などは極一部の顧客が要求してくるくらいで、業務としては、見積りを送るくらいで済むでしょう。その見積りも、ルールが決まっていれば、即日提出できるはずです。

適度な情報公開やマニュアル化により、無駄がなくなり、営業効率は高まります。

呑んで人間関係を築くだけで仕事がもらえるような時代ではなくなりました。むしろ、用がない営業は遠ざけられる時代。
無駄な業務を行うより、有益な情報を流したり、クリエイティブの提案を行ってみたりなど、別の方法で営業を行っていかなければならないのです。ここは、15]年前くらいとの大きな違い。

時代は変化しています。

私の持論、原料事業に特化するより、OEM事業も同時に行っていくことが営業効率を最大化できるでしょう。
理想を言うと、ちょっとした販売も行い、3つくらいの事業を行っていくことがより望ましいでしょう。
OEMや販売の現場を知っていれば、顧客から原料にどのようなものが求められるかが理解できます。原料顧客に対しても、的確なアドバイスが可能になります。
原料営業マン不要論を唱えるベースは、ここにあります。
ただし、学術やマーケティングができる営業マンは必要です。要するに、窓口の営業だけという人材が必要とされない事業だと思います。

極端なことを言いますが、OEM営業ができても原料営業ができないような人間はたくさんいますが、原料営業ができてOEM営業ができない人は少ないです。
原料営業は、どうやったら商品が売れる見せ方ができるか(;マーケティングとクリエイティブ)、理系の知識や1つの素材に対する深い知識が求められるからです。
人材育成が大事な事業でもあると思います。

次は、お金の話。
日本の原料メーカーは、常時在庫を持って、即納が求められるため、

必ず仕入れが先行します。

自社工場で製造しても設備投資や粗原料の仕入れなどが先行しますし、輸入原料は原則前金です。その管理費も加味して原料の価格設定していく必要があります。
厳密には、キャッシュフローも意識し、全体的なP/L(経常利益)を加味して価格設定を行っていく必要があるのです。

もちろん、P/Lを考えると、価格には、研究開発費や営業経費も乗せていかなければならないです。加えて、自社工場で製造している場合は、粗原料コスト・工賃、品質管理費やリスク管理費まで価格に組み込んでいく必要があります。

そして、取り扱う原料によって、適正な価格や利益率も変わってきます。原料価格は、素材のライフサイクルでも適正価格が変化していきます。どうしても、競合が増える度に落ちてきます。
競合を意識しなければなりません。競合とは、同じ原料だけでなく、類似原料なども含みます。

具体例を挙げると、輸入原料は、海外で委託生産を行っている原料を除き、国内製造原料に比べるとそれほど利益が取れません。特に、添加物系の輸入原料は、価格競争も激しいので、どうしても薄利になってしまいます。
また、研究開発の必要性という背景で、機能性原料よりスーパーフードのような一般食品原料の方が薄利になってしまいます。

不用意な値下げも行いにくい業界のため、供給を始める最初の段階でマーケットプライスを設定しなければならないので、価格設定が難しいです。
ある程度、商品になった時の原料原価比率などを想定しなければならないです。OEM事業も行った方が良いのは、こういった見込みが的確に行えるからでもあります。

繰り返しますが、原料事業は、研究開発や特許取得という特殊なものが求められます。
市場の動きも無視できない。
クリエイティブにも直結する。
原料事業は原料事業で奥が深いのです。

原料事業は、私が一番得意な部分なので、OEMと同じく、ついつい長くなってしまいました。
申し訳ないです。
是非、参考にしていただければ幸いです。