サプリメントの中には、予防医療・代替医療に利用されている商品が多く存在します。米国栄養評議会の2010年の調査では、米国における医師・看護師のサプリメント利用実態と患者に対するサプリメント提案割合から医療現場でもサプリメントが活用されている状況が示されています。
その調査では、医師の72%看護師の89%がサプリメントを利用しており、医師の79%看護師の82%が患者にサプリメント利用の提案を行っているという結果が示されています。サプリメントによるセルフメディケーションが浸透している結果です。

これは、国民皆保険が存在しない米国らしい結果でもあるのですが、膨大な医療費で国の財政が圧迫されている日本でも、見習っていかなければならないと私は考えます。

重要なことは、如何に疾患を予防していくか?です。

一方、私は、サプリメントを利用すべきだと考えますが、依存すべきではないと考えています。
原則は、食事と運動だと考えております。飲むだけで健康は、ありえないです。

青魚を積極的に食べる
夕食は糖質を適度に制限する
野菜は多めに、そして、肉・野菜から食べる
発酵食品を意識して摂る
人工甘味料は絶対に摂らない
週2回以上の運動
生涯スポーツを持つ など


私の専門が水産でもあるので、資源の事を考え、青魚でも、できれば近海で漁獲された青魚を選択すべきだと考えています。

サプリメントは、ビタミン・ミネラル・抗酸化物質などを補う目的が基本であり、QOLを高めるような機能性素材を利用するのも良いと考えています。
特に、機能性素材を用いたサプリメントをジャッチしていく際、以下のような評価ポイントでジャッチする必要があります。

エビデンス量の配合
ヒト臨床試験の有無ならびに内容
コストパフォーマンスや利便性


基本、配合・含有量が表示されていないサプリメントは、買うべきではないです。厳しく言うと、LP上ではなく、パッケージ上にです。大事なのは、エビデンスに基づいて効果が期待できる量が配合されているか?です。

さらに、そのエビデンスとして実施されたヒト臨床試験は、摂取量も含め、どんな条件で行われたかも加味してジャッチする必要があります。動物試験だけでは足りない時代になってきています。
商品によっては、臨床試験に用いられた試験品そのものというケースもあります。
ただし、こういった点を的確にジャッチするには、医師・薬剤師・看護師など医療関係者/有知識者に相談するのが一番良いでしょう。

平成26年(2015年)8月28日、厚生労働省医政局総務課からの事務連絡で「サプリメントの販売は附帯業務」と認められる通達が出されておりますので、医療機関も、サプリメントの販売が行いやすくなっています。

アドバイザリースタッフの育成という点では、なかなか理想に近づけないですが、統一基準で業界が取り組んでいくべき点だと思います。

最後のコストパフォーマンスについてですが、いろいろな意味があります。
ビタミンやミネラルのベースサプリは、量販店で購入した方がコストパフォーマンスが良いです。いつでも購入も可能可能で、便利です。それは、こういった商品は、自分でジャッチできるから量販店でも購入できるのです。

一方、説明が必要な商品(サプリメント)は、医療関係者/有知識者からのアドバイスも必要になってきます。例えば、医療機関で販売されている商品などは、そのアドバイス料も加味してジャッチする必要もあったりするのです。

今の時代、インターネット上の情報も、成果報酬目的で商品に誘導するための情報が氾濫しており、どれが真実かは見抜きにくい環境があります。
私は、基本、出典や引用文献が示されていなければ、信じません。商品誘導を目的に利用されていることも多々あるので、医師のコメントですら信じません。

ちなみに、機能性表示食品も、上手く利用すべきだと考えています。
一方、機能性表示食品は、残念ながら、予防を目的としない文言が入ってしまった。医薬品・医薬部外品との線引きを行ったのです。
でも、機能性表示食品も、疾患予防やQOL向上などには十分活用できると考えております。
ただし、ヘルスクレームだけでは、すべてを伝えることができません。作用メカニズムや原文等が公開されているので、ジャッチはできるのですが、プロ中のプロしかジャッチが難しいと思います。

加えて、機能性表示食品で網羅できないような機能性というものも存在します。疾患治療領域に近いものなど。そこはそこでニーズが高かったりすることもあります。
なので、必ずしも機能性表示食品である必要もないと考えています。大事なのは、消費者を騙さず、満足度の高い商品を提供していくことだと思います。

何れにしても、一番良い形でサプリメントが予防医療・代替医療に活用されていけばと思っております。
その仕組みを作っていくことも、私の役割。
コツコツ頑張っていくつもりです。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。