現在放映中の下町ロケットでは、ギアゴーストがライバル企業のケーマシナリーから特許侵害の指摘を受け、その対応がドラマティックに描かれています。

この下町ロケットは、特許権がテーマとなっている。
弁理士さんが、こんなコラムを書かれていたりもします。

きずな国際特許事務所
コラム:「下町ロケット」中小企業が特許で大企業に挑戦!

近年、特許絡みの仕事が多い私は、ちょっと異なる視点でドラマを見たり感じたりしています。

実際、健康食品業界でも、特許権をめぐり、様々な争いが起こっています。

有名なのは、サントリーさんのセサミンの特許、東洋新薬さんの青汁の特許。

日本ではあまり知られていませんが、実は、十数年前、サビンサさんの黒コショウ抽出物の特許で、他の製造メーカーがすべて撤退したということもありました。私も、Naturexから購入していた原料が買えなくなりました・・・。

サントリーさんの特許戦略は、企業防衛の一環で行われて取得されたものです。過去、少々甘かった時代に取れてしまった経緯もあったりもしますが・・・。
こういった企業防衛策は、非常重要です。

特許で怖いのは、全く関係ない第三者が取得できてしまうということ。
例えば、製造者以外でも、製法特許が取れること。

また、取れるとは思っていた特許が取れてしまうこともあること。

過去、韓国の会社がフェルラ酸との組み合わせで特許権を主張し、裁判になっていたケースなども見かけています。

多くの健康食品会社は、販売者も、原料メーカーも、ドラマのような特許請求が届く可能性がゼロではないのです。
まぁ、最初は差し止めの請求からでしょうけどね。

こういった問題を事前に避けるため、常に特許調査を行い続けなければならない時代になってきています。
早期申請で公開される前に取得されるケースなどは、すぐに異議申立を行う必要があったりもします。

気が抜けない、大変な時代です。

私も、特許事務所に特許調査をお願いした2週間後に早期申請で受理された特許を見落としてしまったという痛い経験もあります。

狭いけど有効な特許もあれば、全く意味のない特許もある。
例えば、実際に特許製法で製造すると、食品衛生法に抵触していまうものもある。

一方、機能性表示食品制度が始まり、有効性の特許が有効になり始めています。
今まで、謳えば薬機法などに抵触するので、あまり有効でなかった特許も、機能性表示の可能領域で取得されていれば有効になります。ただし、病名はダメ。

今後、健康食品業界でも、こういった特許権の争いが増えてくるでしょう。実際、販売者の特許申請の数が年々増えている状況も存在します。

機能性表示食品制度が始まり、用途特許の有効性が増している背景もあるのでしょう。

取れる可能性がなくても、牽制の特許として、申請されているケースも多々あります。大手企業さんの中には、申請中にも限らず、警告の通知してくる会社さんも存在します。

原料情報を出すにも、品質管理以外の目的に使用されないような契約で縛っておく必要が出てきているのです。製造工程が絡んでいた方が、用途特許なども取りやすくなります。
問屋さんや商社さんを隠れ蓑にされるケースも出てきているので、注意が必要です。
弊社も、その管理を徹底し始めています。

嫌な時代になりました・・・。

市場が成熟した証拠なんでしょうね。

皆さまも、注意しつつ、この変化に対して的確に対応していってください。