どこの工場も、もうそろそろ原産国表示に対応するための準備を進めているのではないだろうか? 弊社も、準備し始めています。
一方、こういった原料調査を行うと、結構、間違いが多いです。最も間違いが多いのは、最終商品での原材料表示方法です。
ぶっちゃけ、品質管理に関して、時間が止まっているような原料メーカーも少なくないです。

原産国表示が入ってくると、情報を受け取る側も、ますますチェックが必要になってくるでしょう!

健康食品原料の場合、エキス末・抽出物は加工食品に該当します。したがって、原産国ではなく、製造国を表示することになります。主に抽出した国が製造国となります。
行政に問い合わせ際の回答や行政のセミナーでは、以下のようにされている。

小分けやリパックでは製造国は変わらない
また、篩にかけても、製造国は変わらない

原則、成分や成分組成の変化があった最終国となる


結構、この部分を間違って表示する原料メーカーが出てくるでしょう。実際、原産国表示は、意図的でなくても食品偽装の部分にも入ってくるので、間違っていると、厳しく処分されるでしょう。

さて、情報を受け取る側は、どのような情報を求めるべきでしょう?

Best
すべて製造工程が行われた地域・工場の開示

輸入原料の場合、小分け場所も開示

Better
抽出工程や粉末化工程が行われた地域の開示


こういった情報開示は、早めに、的確に行われる必要があるでしょう。

今後、HACCPにもつながってきます!

小分けも含め、どこでどのような品質管理体制で原料が行われているかの管理が必要になってくると思います。
GMPにHACCPを網羅させようとすると、必然的に求められる管理だろう。
cGMPレベルで同一性試験まで求めらるかもしれないという状況ですから・・・。

HACCPとは、Hazard Analysis Critical Control Pointであり、食べ物の安全性を確保するため、その工程・加工・流通・消費というすべての段階で衛生的に取り扱うことが求められ、食品製造行程中に危害防止につながる重要管理点をリアルタイムで監視・記録していくことです。

例えば、菌汚染が確認されたら、どこで菌汚染が起こったか?を追跡する体制が求められます。また、事前に防止する体制も求められるでしょう。

実際問題、すでにこういった要素が加わっている原料調査書も多く見受けられます。

実際、上記のような詳細情報を含んだ原料調査書を求め、原産国表示が正しいかのチェックも行っていく必要があるのでしょう。

中には、糖類(例:還元麦芽糖水飴や乳糖)やデキストリンなど賦形剤さえ日本製造でしっかりしていれば十分であり、甘く考えている会社さんもいるでしょう。
一方、景品表示上、数のクリエイティブが使えなくなれば、賦形剤以外の原料が一番最初に表示され、原産国表示が必要になってきます。
時代の流れとして、管理レベルを上げていかなければならないのです。

それは、OEM会社だけでなく、原料メーカーも同じです。
気を引き締め、管理レベルを上げていきましょう!

ちなみに、弊社は、原料受託バンクでも、全原料で原産国を開示し始めています。また、OEMの見積りの際、予想される原材料の原産国表示についても提示するようにし始めています。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。