原料・OEMの弊社顧客は、どこがどのような媒体で勝っているか?を見てみると、意外にECは勝ってないです。
小さな店舗やクリニック、薬局でも、コツコツ売っている会社さんの方がスパンは長くても安定的に発注がなされる。オーナー色の強い会社さんか、販売マニュアルが徹底されている会社ほど販売量が伸びます。
一方、ECは、勝負が早く、納品から3ヶ月で再発注の打診がなければ、その商品はほぼ終わりです。ECは、一発で終わる率も高い。

ぶっちゃけ、こういった市場動向は、OEM会社の立場だと、よく見えます。
弊社は、ゴミ商品を作らない方針も強いので、それも影響しているだろう。

健康食品EC最大の欠点は、

LTVが低い

ことです。これは、間違えないだろう。

インターネット広告媒体別に見ると、アフィリエイト広告のLTVは極めて低い、リスティングやアド系の広告はまだ良いが紙媒体と比べるとかなり悪い。

だから、定期で縛るしかない。
必然的に商品は安くて売りやすいクリエイティブが作れるものになり、商品に対する顧客満足度を考えなくなる。ダイエット商材に集中する理由もここにある。
費用対効果重視で、真っ黒な広告(消費者庁がチェックにしにくいスマホ媒体)で騙して出も、攻めてしまう理由がここにある。

LTVだけでなく、課徴金なども加味すると
儲かるようで儲からない

加えて、近年は、広告費用対効果が悪化しており、どの良い媒体もライフサイクルが短く、長く使えない。ほんと、ベタにリスティングなどで費用対効果やトータルでの採算が合うような商品しか生き残らない。

ぶっちゃけ、儲かるのは、広告周辺だけだ。
広告の免責もない会社が、荒い売り方を提案する。

正直、今、健康食品の通販事業で儲かっているのは、一部の紙媒体と電波媒体だと思う。電波媒体を見て、購入ツールとして、ネットで購入するというケースも少なくないだろう。
こういった会社は、LTVを高めるため、CRM(顧客関係管理)も徹底している。クロスセル商品で満足度を高めている会社もある。

満足度の高い商品・サービスは、年単位でリピート購入される。
だから、積み重ねで利益が出る。
言うまでもなく、勝ち組通販会社の特徴です。
リピート購入されない商品では儲からない。

これが真実だと思う。

ちなみに、広告代理店さんやコンサルさんは、こういった健康食品ECの状況に注意しなければならない。
販売者が儲からなければ、次の広告予算にもつながらない。
結果、売上が先細ります。

実際、アフィリエイター会社さんは、売るものがなくなり、商品を作りだした時期もある。
そして、Googleのアルゴリズム変更も重なり、部分的に淘汰された。
そもそも、アフィリエイト広告の成果報酬が高過ぎる。今後も、あまりにも高い成果報酬が続くようであれば、アフィリエイト広告離れがさらに加速するだろう。

まぁ、その前に、真っ黒なコンテンツを一枚挟んだ広告に対する規制やメディア側への管理責任、広告側(代理店やコンサル)への販売教唆なども、問題になってくるだろう。
ぶっちゃけ、販売者に限らず、消費者を騙すことでしか収益を上げれない会社は潰れるべきだと思う。

最期に、ここまで過激な記事を書くと、顧客が減ってしまうのでは?と心配される方もいる。
でも、消費者を騙す顧客の商品を作っても、トラブルにしかつながらない。作り手側も、どんな会社に商品提供するかも、選ばなければならないと思う。
こういった記事は、その顧客セグメントの役割を担っています。
こんな記事を書いても、きちんとOEM問い合わせが来ます。むしろ、賛同してくれる良い顧客が集まる傾向もあります。
それが重要なんだと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。