消費者庁による販路や媒体による規制の違いが大きくなりつつある。今年に入り、ドラックストアーなどの量販店での規制がさらに強化された。
それを示すのがキリン堂の事例です。
問題になったのは、グラリスゴールドという商品の以下のPOP。

20180904kirindo
※出典:消費者庁HP

このようなクリエイティブ、インターネット上では、極当たり前のように存在します。もっと酷いクリエイティブも多数存在するのが現状です。

しかも、規制対象となった商品は、プロが見ても良い商品である。
グラボノイド(甘草抽出物)を300mg、還元型コエンザイムQ10を30mgも配合すれば、原価も1000円を超えてくるだろう。どちらも、1kgあたり10万円を超える高級原料だ。

ネット上のゴミ商品とは異なる!

おそらく、機能性表示食品に申請すれば、受理できるレベルのものだろう。
そこは、きちんと違いを認識する必要がある。
個人的見解としては、少々厳しいなぁと思う部分もある。

ここまで厳しい理由は、おそらく、OTCなど医薬品やグラボノイドの機能性表示食品と並べられて販売されるからだろう。

これだけ良い商品を作りながら
なぜ?機能性表示食品で販売しなかったのか?

まぁ、以下の理由が考えられるだろう。

管理コストを考えると、さらに原価アップするため
※下限値保証のため、増し仕込みが必要になる
受理まで時間がかかるため

ぶっちゃけ、機能を謳うグラボノイドや還元型コエンザイムQ10の機能性表示食品と並べて販売すると、同じ含有量であれば、消費者は間違えなく安い方を選ぶだろう。
実際、並べられていただろう。

悪質と言えば悪質な販売方法とも言えるだろう。おそらく、消費者庁は、このような販売方法が行われないよう見せしめで吊るし上げたのだろうとも考えられる。

ルテインやアスタキサンチンでも、同じような販売がされないように消費者庁が先手を打ったようにも感じられます。

さて、インターネットでも、同じようなことが起こる可能性もある。また、それ以上に酷いクリエイティブの規制は、どうなっていくのか?という問題が残っている。

そして、最大の課題。
アフィリエイトや広告管理ツールを用いた脱法販売も、どのように規制されていくのか?
今、荒れたい放題、荒れている。
アフィリエイトは規制されるようになると、次の脱法販売の手法が現れる。

今後、こういった部分の規制をきちんとウォッチしていく必要があるのだろう。おそらく、消費者庁は、徹底的に潰しにかかると思う。
その市場動向にマッチした商品開発を行っていく必要があると思う。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。