昨年12月、医療・健康系のコンテンツに対して、Googleは、信用なるものを評価すると明言した。そして、一部のアフィリエイトサイトは、検索されにくくなりました。
一方、未だ、嘘だらけのコンテンツサイトも多く存在し、消費者を惑わしている現状があります。

おそらく、信頼(エビデンス)に対する評価にも問題があるのだろう。
実際、膨大な量の情報を判別する場合、ロボット(AI)の手を借りて処理されると予測されるのだが、正しくエビデンスが示されているか、さらに、そのエビデンスが正しいかの判断は、極めて難しいだろう。

そこは、閲覧者が判断していかなければならない!
特に日本人は、ネットの情報をうのみにし過ぎる。
エビデンスのないネット上の情報は、疑うことから始めなければならない!

まぁ、葉酸に関しては、以前にも述べたように「葉酸は水溶性ビタミンだから、過剰症の心配がなく、安全である」という(販売メーカーが作った)嘘の情報が氾濫してしまう。
詳しくは >>水溶性ビタミンでも過剰摂取を注意すべき葉酸

妊活の市場が伸びる中、葉酸に関しては、こういった問題が多々ある。
私は、こういったエビデンスのない情報の真偽を確かめる仕事も行うことがあります。
実際、先日も、「ピルやアルコールによって葉酸欠乏を引き起こす可能性がある」という情報に対して、文献調査を行いました。

結果、以下のような情報が得られました。

ピル:
葉酸代謝と先天異常 日産婦誌 2002; 54(9) N238-241
→葉酸欠乏の原因リストに避妊ピルとして存在

アルコール:
1. 葉酸代謝と先天異常 日産婦誌 2002; 54(9) N238-241
2. Bailey LB, Gregory JFr (2006). Folate. Present Knowledge in Nutrition. B. Bowman and R. Russell. Washington, DC, International Life Sciences Institute. I: 278-301.
3. Carmel R (2005). Folic Acid. Modern Nutrition in Health and Disease. M. Shils, M. Shike, A. Ross, B. Caballero and R. Cousins. Baltimore, MD, Lippincott Williams & Wilkins: 470-481.
→アルコール依存症の人は、葉酸塩含有量が低い質の低い食事を摂取していることが多い。さらに、アルコールは葉酸塩の吸収および代謝を阻害し、分解を促進する。

ピルについては、原文を見つけることができなかったが、信頼できる文献まで見つけることができた。アルコールについては、完璧なエビデンスを見つけることができた。
世の中に点在する本情報は、エビデンスは示されていなかったが、嘘ではなかったということです。

この2つを比べても、エビデンスレベルとして差がある。
実際、コンテンツのエビデンスを評価するのは、非常に難しいことがわかるでしょう。

一方、閲覧者も、こういったエビデンスの有無やレベルを評価し、そのコンテンツをどこまで信用するかを決めていかなければならない!

でも、なかなか難しい部分もあるだろう。

たまに、医師や有知識者が監修するコンテンツでも、間違った情報があったり、エビデンスが示されていないこともある。
チェックしていないのがバレバレである。

監修者を含めた情報を発信する側も、責任を持った情報発信を徹底していくべきだろう。

健康・医療の情報を発信するものとして、そのようなネット社会を強く望みます。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。