日本の健康食品・サプリメント市場は、米国市場と大きく違いが表れ始めています。

米国は、エビデンスさえあれば、比較的緩く機能性表示が可能です。
一方、広告規制については、めちゃ厳しいです。
また、訴訟社会なので、下手に嘘を言って売ったら、訴えられる社会でもあります。米国は、損害賠償額が小さくても、弁護士費用の負担が負けた側になるので、勝てる見込みがあれば訴えやすい背景もあります。

例えば、タレントのSNS広告の場合、広告であることの告知がないと、処罰されます。消費者を騙したことになります。決め手は、金銭の授与の有無でしょう。
まぁ、過去、日本でもステルスマーケティング騒動で問題になりましたが、今でも巧みにステルスマーケティングを行っている日本のタレントさんは、処罰・訴訟されてしまうでしょう。
こういった部分が、非常に厳しいのが米国市場です。

日本なんて、アフィリエイターの広告規制が野放しで、コンテンツ型マーケティングが主流となりつつあり、嘘でも本当にしてしまうような詐欺商法が流行っています。
米国市場では、信じられないようなことが起こっています。
おそらく、米国市場では、消費者が集まって集団訴訟されてしまうでしょう。

こういった違いがあり、米国市場は、日本市場ほど、国が広告規制を取り締まる必要性がなかったりもするのでしょう。
一方で、米国市場は、安全性管理に対して、うるさい部分もあります。まず日本の素材が米国市場で成功するためには、GRAS認証を取得していく必要があったりもします。

ただし、米国市場は、安全性さえ担保されれば、合成の新規成分でも簡単に流通できてしまいます。ちょっと怖い部分もあります。

まぁ、どちらも良し悪しがあるでしょう。

もちろん、日本でも、コンテンツ型マーケティングの問題が表面化し始めています。例えば、昨年末からGoogleは、エビデンスがないものは上位検索されないように手を打ち始めました。

一方、今春は、ニュース配信アプリとFacebook・Instagramで、酷い広告が目につきます。
広告規制が甘い媒体を狙った真っ黒なクリエイティブでの販売です。いつでも会社を潰せるような会社さんが一時的な儲けを狙って、手を出されています。
イタチの追いかけっこ状態。

まぁ、悪い販売会社さんの動きは無視して、日本市場では、ECに次ぐ新しい販売方法の創出が求められていると思います。
もちろん、クリーンなもの。

ちなみに、日本市場と米国市場では、健康食品・サプリメントでは、販売チャンネルの比率が全く異なります。近年、ややインフォマーシャルの比率が近づいてきたかな?と思うくらい。
米国では、大型店舗に入っているミニドラックストアのような薬剤師(アドバイザリースタッフ)による対面販売の市場が大きいです。安心・信頼というものが重要視されているようです。

このような米国の事例も加味して、新しい事業モデルを構築していくべきなのでしょうね。
例えば、LINEを含めたチャットでのサポート型販売など。

健康食品・サプリメントのEC市場も、行き詰まり感が見えてきています。
ほんと、新たなモデルで市場を創出していくしかないんでしょうね。
私も頑張らないと!

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。