今の日本の健康食品市場は、必ずしも好調とは言えない。一方、中国を始めとした海外案件が好調で、潤っているというのが実情だと思います。

一方、中国案件は、非常に回転が速くフラッシュマーケティング的要素が強いため、付き合う方も大変。
加えて、中国に限らず海外案件は、いろいろな面で担当者を振り回す。
私自身が海外案件を担当しない一番の理由(笑)。
というか、担当すると会社全体の業務に支障が出る。

それでも、中国案件に対して積極的に対応していくべきだろうと考えています。

ただし、中国案件を狩りつつ、必ず国内案件に対しても先手を打ち続ける必要があります。
会社は、1つの柱より、より多い柱での方が安定します。
弊社は、原料事業・国内OEM事業・海外OEM事業の三本立てです。そのうち、海外OEM事業が下火になり海外原料事業が生まれてくると考えております。

その理由は?

中国など東南アジアを中心とした諸国も、いずれ健康食品の法的整備が進むためです。

中国などは、ドイツの基準を導入している面もあるので、本格的に整備され始めると、中国で流通する商品もかなり限定されてくると考えております。
私の予想では、基本的に正規通関が必要になり、最終商品で通関を通す場合、各原料の規格書やMSDSなどが要求されるのでは?と考えております。
中国に関しては、現状、お目こぼしで非正規流通させていただいているような部分があります。
いつまで続くか?という不安定要素があります。

最終商品の通関が厳しくなった場合、化粧品のように健康食品も日本から原料を仕入れ、中国で生産するというケースも増えてくるでしょう。
実際、そのような動きも出始めています。
原料事業をやっていないと、わからない動き。
なかには、日本から原料やバルクを仕入れ、保税庫で充填して日本製にするというケースもあるみたいです。
おそらく、この中国製造の方法の方がビジネスの障壁が少ないという状況になるでしょう。
何れにしても、後々、中国生産品の健康食品が伸びてくるのは間違えないでしょう。

そういった市場になった場合、強いのは国産のオリジナル原料!

もしくは、弊社の葛花のように、中国産でも日本の技術で作られている原料

例えば、乳酸菌(特に大手さんのもの)、還元型コエンザイムQ10、プロテオグリカン、エラスチン、一部の菌糸体系素材などでしょうね。
プラセンタは、馬の原料であれば、可能性はありますね。

ちなみに、ナットウキナーゼに関しては、すでに段階が進み、中国原料が多数出始めているので、状況が混とんとし始めています。
他の原料も、模倣原料が作られることを加味して、戦略を講じていくことが不可欠です。
例えば、産地や権威などの特色がある原料などは、模倣されにくいんでしょうね・・・。私は、そういった目利きやブランディングを意識しています。

どの世でも盛者必衰。
勝ちモデルやセオリーは、近年、すぐに変わる時代になってきています。情報化による影響。実際、取り残されてしまった企業を多く見てきています。
何れにしても、先を見据えつつ戦略を立てていくことが重要です。
終わりなく頑張り続けないといけないんだなぁと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。