最終商品を輸入した場合、原材料で輸入する時より植物検疫のチェックがどうしても緩くなってしまいます。
後々、回収騒動といえケースも少なくありません!
数年前、放射線殺菌された大麦若葉エキス末の大きな回収騒動があったくらいですから・・・。
今回は、気をつけるべき原材を紹介いたします。

エチレーションされた魚油
注意レベル:★★★★
過去にも紹介しましたが、日本は、意外に魚油の規制が厳しいです。濃縮の工程でエチレーションが認められておらず、酵素法で製造された魚油しか輸入できません!
特に、トリグリセリド(TG)ではなくエチルエステル(EE)に置換された魚油は、日本において医薬品グレードの魚油だったりもします。
海外産の魚油は、ほぼ該当すると考えても良いかもしれません。
まぁ、末端商品としては、結構、スルーして流通してしまっているような感じもします。

DIMORPHANDRA MOLLIS由来のケルセチン
注意レベル:★★★☆
ケルセチンは、エンジュや蕎麦、小豆など、由来原料が限定されています。ケルセチンは、ルチンからの分解物とされており、当然、ケルセチンの由来植物の条件は原料となるルチンと同じだそうです。
ルチン(抽出物) (アズキの全草、エンジュのつぼみ若 しくは花又はソバの全草から得られ た、ルチンを主成分とするものをいう。)
>>もっと詳しく
DIMORPHANDRA MOLLIS由来のケルセチンは、ブラジルのメルクが供給しており、世界的に広く流通しています。安くて品質が良い。でも、日本ではNG。
東京検疫所に照会をかけるとNGと回答されるのですが、稀にスルーして流通している原料が存在します。東京ではなく、緩い検疫で通ってしまったのかなぁ?
まぁ、何れにしても、最終商品に配合されていたら、なかなか発見できないでしょう。

イタドリ根由来のレスベラトロール/プテロスチルベン
注意レベル:★★★☆
由来が医薬品区分のイタドリ(虎杖根)だと、医薬品区分の原料になってしまいます。
アメリカなどでは、安価な中国産イタドリ根由来のレスベラトロールが主で流通しています。合成されたプテロスチルベン;メチル化レスベラトロールも流通しているくらいですからね・・・。
最近では、アミノ酸を出発原料として酵素を用いた合成方法も確立され、日本でもNGではないそうです。でも、アミノ酸が遺伝子組み換えの微生物から抽出されたものなので、通関を通すのは、かなり厄介と考えています。過去、私も原料輸入でチャレンジしましたが、諦めました・・・。

パラアミノ安息香酸

注意レベル:★★☆☆
ビタミンB群の一種で、アメリカではサプリメント素材です。日本では、医薬品成分に該当します。
海外のマルチビタミンには、かなりの比率で配合されています。また、育毛の医薬品パントガールなどにも配合されていることが知られています。

キレートミネラル
注意レベル:★★☆☆
アメリカのミネラルサプリメントには、極普通に配合されている成分。
日本では認可されていません。指定外添加物に該当します。

アシュワガンダ
注意レベル:★★☆☆
数年前、医薬品区分に移行しました。もうサプリメントには使えなくなっちゃいました。

イカリ草やヨヒンベ(ヨヒンビン)
など
注意レベル:★☆☆☆
アメリカではサプリメント素材でも、日本では医薬品素材です。精力系のサプリには、配合されていることが多いです。

まぁ、★が2つの素材は、十中八九、通関で止まると思います。
健康食品を末端製品でも原料でも輸入する場合、食薬区分のチェックは、一番最初に行うことです。そして、次は、由来原料や製法のチェック(日本の規制に適合しているかどうか)です。★が3つ以上の素材は、チェックしないとわからないこともあります。
しっかりとしたチェックが必要なのです。

是非、こういった事例を参考にしていただければ幸いです。
追記
以前にも書いたのですが、DIMORPHANDRA MOLLIS由来のケルセチンは、極めて黒に近いグレーゾーン。
原材料表記だどうされているかで黒とグレーゾーンが決まります。
ケルセチンの名称で、添加物として表記していれば、黒、アウト! 東京検疫所から弊社には、書面で届いていますから・・・。
ディマフォンドラモリス抽出物として表記すれば、グレーゾーン。

検疫が通って、流通しているものは、おそらく、ディマフォンドラモリス抽出物として通関されているのでしょう。
それなら、通関が通る可能性が高いです。ディマフォンドラモリスは、非医薬品リスト医薬品リストのどちらにも記載されていませんからね。
残念ながら、通ってしまうでしょう。
そこまで空港の植物検疫は完璧ではありません。
ここに落とし穴があるのです。

一応、ケルセチンは、非医薬品リストにも入っています。
おそらく、食品素材:ケルセチンとして表記できると勘違いされるのでしょう。
一方、以下の通知によって、ケルセチンは、添加物に該当するようになっています。
「「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」の食品衛生法上の取扱いの改正について」の一部改正について(平成23年6月23日)
したがって、ケルセチンと表記すると、用途付きでケルセチン(酸化防止剤)としか表示ができないのです。
グルコサミン塩酸塩やキチンとは異なり、この通知によって、由来原料まで制限されているのがケルセチンなのです。

ほんと、このケルセチン、いろいろ難しいです。結構、特殊です。
起因原料の主となるエンジュ(花、つぼみ)は、基本、医薬品区分。ただし、食品添加物のケルセチン(酸化防止剤)だけは、エンジュからの抽出物でも食品として認められています。

まぁ、ちょうど整備中のようだが、グルコサミン塩酸塩のように、通知はあっても未だ食品として表示されているものもある。
ん~、よ~わからんです。

まぁ、いずれにしても、添加物でダメな原料を食品として利用しても大丈夫なのか?という観点からすると、NGだと思われます。目立った時に刺される可能性もあります。
そこが、グルコサミン塩酸塩との決定的な違いです。