以前から、厳しく指摘しているのですが、世の中、消費者を騙すゴミ商品(健康食品)が多過ぎます。そして、その状況が健康食品というものが支持されない理由の一つとなっています。
ゴミ商品が氾濫してしまう原因は、以前にも記事にしましたが、強調表記に対する広告規制が甘いためです。

健康食品業界をダメにしている緩い強調表記規制

フルーツや野菜の数、すなわち数のクリエイティブだけを用い、マーケティング力だけで販売している商品は、買ってはいけません!
最近では、新たに、極わずかしか配合されていない各原料の100gあたりの栄養成分データを野菜・果物の栄養成分データと比較するクリエイティブも多く見られます。

例)
クマザサ:食物繊維 ごぼうの約11倍
甘藷若葉:βカロテン トマトの約22.5倍

→さて、クマザサや甘藷若葉の含有量は?商品として、どれくらい食物繊維やβカロテンが含まれるの?

インチキのような量のクリエイティブです。これは、酷過ぎないか?

それは、消費者を騙していることにはならないでしょうか?
私は、完全に優良誤認として、消費者を騙していると考えています。基本、優良誤認の基準はあいまいなのですが、消費者庁の見解では、消費者が騙されたかどうかが優良誤認の基準です。
きちんと説明し、消費者に問いたら、10人中10人が騙された/優良誤認と判断するでしょう。
こういったゴミ商品は、定期コースで縛ってワンペイに近づけるなど、ワンペイのビジネスモデルで売られている商品が多いです。売り切り御免。

簡単に騙されてしまう消費者も悪いのですが、こういった部分を率先して取り締まらない行政も悪いと思っています。
我々は、商品化を行う際、法令順守でパッケージ表示内容をチェックします。一方、広告(ランディングページなどのクリエイティブ)には、同じような厳密さが求められない。だから、騙される消費者が減らないのです。

消費者も、自己防衛として、ランディングページで栄養成分を強調してある商品は、必ずパッケージに栄養成分表示がなされているものを選ぶべきなのだ。
まぁ、騙されていることも気づいていない消費者が多いのも現状で、非常に悲しい。

このように厳しい指摘を行うと、正直、ほとんどの販売者さんや広告代理店さん、制作会社さんは、非常に嫌がります。
一方で、私は、ここ数年の間に、必ず広告規制が厳しくなり、ゴミ商品はクリエイティブ表現できなくなり、ネット上で淘汰されると考えています。
マーケティング力だの小手先だけで一時的に勝っても、長くは勝ち続けれないです。
通販の基本は、顧客満足度を高め、何度もリピート購入してもらって利益を生み出すことです。利益を出すためには、決して騙すような商品であってはダメであり、正攻法で勝っていける商品;LTVが高い商品でなければならないと考えています。だから、今だけ売れる商品ではなく、長く売れ続ける商品を提案し続けるのです。

まぁ、広告代理店さんや制作会社さんは、一時的にでも成果を求められるので、仕方ないことはよく理解しています。顧客の販売者さんからすると、短期での利益を出すことが一番重要ですから。
ただ、先を見越した提案を行ってもらいたいなぁと思う次第です。
そのためには、LTVを伸ばして収益を出すため、クロスセル商品(スイッチセル商品)に力を入れれるなど、いろいろな方法があると思います。
実際、商品開発に力を入れ、クロスセルやアップセルで売上を伸ばしている会社さんも存在していますから。

まぁ、私は私で、信じる道を貫くだけです。
ファイト!です。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。