先日、プライシング(適正価格と適正原価率)について、サポートページを紹介した訳ですが、なぜ、ここまでプライシングにこだわるかについて、理由を事例と共に紹介したいと思います。

まず、ここ10年、とんでもないスピードで情報化が進んでいます。
その情報化は、12年前からのインターネットのハイスピード化(ADSLや光回線の普及)と7年前あたりからのスマホの急速な普及、そして、4年前あたりからのコンテンツ型ビジネスの始まりの3段階で起こっています。

さて、この情報化によって、健康食品業界で何が起こったか?

それは、商品比較の定着です。
消費者がいろいろ調べて、インターネット上で商品を比較してから商品を購入するようになりました。

高速インターネットが普及し始めてから、まず、第一段階目の変化として、ケンコーコムや楽天で商品比較が行われるようになりました。
でも、この時点では、大した比較が行われておらず、まだ情報量が多いLP型独自ドメイン系の通販が優勢でした。広告規制が甘かったのも優勢だった理由の1つです。

こういった商品比較は、12年前あたりから広告代理店さんが提案書を作るのに盛んに行っていたのですが、近年、コンテンツ型ビジネスの代表:比較サイトが現れてから、消費者も商品比較を行うことが当たり前になりました。
昨今では、この比較サイトも作られた情報であることを消費者が認識し始め、スマホなどで独自に商品比較を行っている消費者も増えました。
市場では、消費者による精度の高い商品比較が定着し始めています。

このような商品比較が容易な市場では、当然ながら、とにかくプライシングが大事になってきます。
ECに限らず、店舗販売や無店舗販売でも商品比較が行われ始め、商品のプライシングに大きく影響し始めています!

例えば、店舗で進められて、その場で消費者が何となく購入してしまうケースが多々あると思いますが、近年は、帰宅後、必ず購入が得だったか損だったかを商品比較によって検証するようになりました。
そこで、何が起こりえるのか?
それがタイトルの無言の離脱と信頼失墜です。
(通販なら、言うまでもなく、定期購入離脱やリピート購入しないという形で起こります。)
クリニック、エステやジムの場合、物販だけでなく、本業への信頼失墜にもつながります。そのため、一部のクリニックやジムの経営者さんは、全体に本業に悪影響がでない商品を求められます。この無言の離脱と信頼失墜の怖さをきちんと理解されているのです。仮に少々高くても、消費者が納得できる価格でなければならないのです。

過去、店舗販売や無店舗販売では、比較的高額で低原価の商品が販売されていました。販売する人の取り分も加味する必要がありますから。近年、情報化によて、そのプライシングの常識も崩れ始めているのです。年々、ECや量販店のプライシングに近づきつつあるのです。
その変化を認識せずにプライシングを行うと、失敗してしまうのです。

通販などは、さらに深刻であり、リピートで投じた広告費が回収できないという問題が起こってきます。いや、ごく当たり前に起こり始めています。
そんため、私は、プライシングをアドバイスする場合、初回購入の広告費回収率より長いリピート購入を意識したプライシングを重要視してもらうのです。もちろん、プライシングは、商品力に見合ったものである必要があります。
今後、これが成功の条件であることは間違えないと思います。

プライシングに迷われている方に限らず、もう販売を行っていらっしゃる方も、失敗しないためにも、是非、サポートページをご活用いただければと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。