今回は、通販会社の経営について、これまでの経験を元に紹介したいと思います。
まず、私は、通販事業を始められる前に、以下の点は釘を刺したいと思います。

通販事業は
甘くない、金もかかる
利益が出始め、安定的な利益を生み出すには時間がかかる
人材が大事


主に、通販事業を始められるケースは、1.事業の拡大として行われるケース、2.新会社としてゼロから始められるケース に分けられます。
1の本業があり、事業の拡大の目的で通販事業を始められる場合、一時的にでも、経営者が通販事業に集中する期間があるべきだと思います。もしくは、専任の事業部長を雇用し、3年以上のプロジェクトで厳しくマネージメントチェックしていくのも一手です。

ダメな例として、以下のようなケースがあります。

・通販事業が片手間になり、十分にマネージメントされていない。
 →責任の所在が曖昧となり、誰も事業に責任を持たない。
・コンサルや広告代理店に頼り切りになり、人材育成につながっていない。担当者の交代が続き、ノウハウの蓄積がない。
 →新たなノウハウの想像ができていない。
・マネージメントが適切に行われておらず、広告費垂れ流しで、広告代理店しか儲からない仕組みの事業となっている。
 →適切な販売モデルが築けていない。
・広告予算が十分にない。すぐに利益が出るものと勘違いし、黒字が出る前に事業を止めてしまう。
 →投資回収型の通販事業を理解していない。

ただし、除外されるケースもあります。
例えば、クリニックやサロンで販売しつつ、リピート顧客の販売ツールとして通販を行う場合です。
店舗連動系の通販事業です。
まぁ、通販事業をどこまで大きくしたいかですが、最小限のコストで最大限の結果を望むのであれば、AmazonやYahoo!ショッピングへの出店で十分だったりもします。
店舗顧客を如何に通販顧客に変えていくかが最大のポイントです。
私が得意なモデルだったりもします。

2のゼロから始められる場合、未経験の社長さんは、前職を退職する前など事業を開始される前に死ぬほど勉強する必要があります。でなければ、ほぼ100%失敗されるでしょう。
他力本願は、絶対にダメ!です。
また、経験者の社長さんは、以下のことを整理してから始められると良いでしょう。もちろん、1の社長さんも、勉強後に行う必要があります。

・自分が持っているノウハウの整理 (足りていないものも)
・競合会社の分析 (勝っている理由)
・3年間の事業計画 (目標と管理基準の設定)
※集客プランや目標とする広告費用対効果、コンバージョン率、リピート率なども厳しく設定
・他社に対抗する手段の確立

大手さんの通販事業部のように、事業計画を広告代理店さんに作らせるケースも少なくないですが、そんなアホなことは絶対にやってはいけません。
黒字にしかならない事業計画では全く意味がありません。
もちろん、自分で各種設定を行う場合も、かなり厳しく設定する必要があります。制作会社さんやネットの広告代理店さんに多い失敗の例として、LPのコンバージョン率ばかり追って、顧客の満足度から導かれるリピート率を考慮されないケースもあるので、価格戦略も含めてリピート率やLTVなども厳しく評価・設定する必要があります。

まぁ、事業は始まったら、LPのコンバージョン率などは、目標に近づけるため、トコトン努力しなければならないです。そして、現実的でないと思ったら、事業計画を見直すべきです。

我々は、多くの顧客の商品提供を行う中で、通販事業に手を出さない方が良いのに・・・と思うケースも多々あります。私は、一般的なコンサルとして不適格なので、態度に表れてしまう。
失敗するだけなのでこれができなければ通販事業に手を出さない方が良い!というのが私の持論です。
これは、化粧品通販でも同様なことが言えると思います。
これから健康食品や化粧品の通販事業にチャレンジされる方は、是非、上記の点を意識して、チャレンジしていただければと思います。

ちなみに、私はなぜ?厳しいコメントしかしないのか?と思う方も多いでしょう。それには、理由があります。その理由に関しては、また次回。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。