最近、水素サプリの案件が多いです。
健康博覧会でも、多く商品が紹介されたからでしょうか?
某社が水素水で指導を受けたのにもかかわらず、市場が活発化するケースは、キャンドルブッシュの市場に似ている感じがします。

弊社では、いくつかの水素原料から選択してもらっております。
正直、どの水素原料が良いかは、1つの物差しで比べられていないので、判断が難しいです。最も水素が発生することがわかっている原料は、食品として担保されていないので、弊社のコンプライアンス上、利用しにくいという悩ましさも存在します。

さて、この水素サプリで注意すべき点があります。
本当に水素ガスが発生する原料は、水分と反応して水素を発生させるため、同時配合できる原料がかなり限定されます。例えば、以下のような原料は、NGです。

・ハーブエキス
・酵母系原料
・糖類

主に、吸湿性が高い原料がNGです。
完全にNGではないのですが、多くは配合できないです。
こんな感じで、パンパンになってしまいます。ハーブエキスと組み合わせ、乾燥剤を入れなかったら、こうなりました・・・。
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まあ、水素とは限定できないですが、何らかのガスが出ている証拠でもあります。
この水素原料は、メチレンブルーを用いた水素の確認試験に関しては、時間がかかれど反応を示します。こういったガス発生タイプの水素原料は、水への溶存を経てから試薬反応させなければならないため、ガスも溶存せずに揮発してしまうものも多く、効率的に試薬反応が起こりにくいのだと考えています。
経験上、このメチレンブルーを用いた反応は、水素水や水に水素を移行させやすいサンゴカルシウム型の水素原料の方がキレイに反応を示すことができるようです。

ちなみに、、余談ですが、水素ガス発生型の水素原料は、ガスクロで定量が可能ですが、原料によっては、硫化水素として発生してしまい水素として定量されないものもあるようです。そこは、まだ真相がつかめていないです。
まあ、ガスの発生量で勝負すると、おそらく、物理的に水素を確実に発生させる水素発生型の水素原料には敵わないでしょう。

さらに、どちらのタイプの原料の方が、体が水素を利用しやすいかも検証できていないです。
まあ、いずれにしても、検証が難しいです。

また、水素サプリに関しては、剤形も限定されます。錠剤やソフトカプセルは、望ましくありません。
ハードカプセルが望ましいです。
さらに、弊社では、カプセルの種類やハードカプセルの賦形剤にも注意しております。

設計ノウハウがないと、失敗しやすいのが水素サプリの難しいところであったりもします。
ここ最近、むちゃな配合/設計での依頼が多く、正直、困っています。ここの設計の部分は、プロに任せつつ、求める商品に近づける必要があります。おそらく、要望の通りに作ってしまうと、後々、必ずトラブルを招くでしょう。そこは、要注意です。

さらに、これだけ水素サプリの案件が増えてくると、各社で差別化の工夫が必要です。
差別化の副材選定やカプセル選定などは、今後、成功していくためのポイントだと思われます。
正直、この時点からの水素サプリの開発は、必ずしも、おすすめしていないです。法律に抵触しいないで販売するためのクリエイティブ開発も難しく、極端な体感も得られにくいためです。薬事レベルの高い広告媒体での展開も難しく、オープンな市場には適していないです。一方、対面販売やクローズドの販売には適しているでしょう。
こういった点を意識しながら、ベストな提案を行っていければと思います。

この記事の筆者:栗山 雄司 (博士)

株式会社アンチエイジング・プロ 常務取締役 COO / SloIron Inc. 取締役 技術アドバイザー / 順天堂大学医学部 総合診療科 研究員

kuri photoM2 広告にも精通し、日々、売れる商品(;顧客の成功)のことを考え、健康食品サプリメントの機能性原料開発やOME製造を行っています。